SYSTEM 5900 サイドスキャンソナー
マルチビームサイドスキャンソナー
SYSTEM 5900 サイドスキャンソナー
マルチビームサイドスキャンソナー
多機能サイドスキャンソナー
SYSTEM 5900 はKlein Marine System 社の最先端の多機能サイドスキャンソナープラットフォームシステムです。高解像度のソナーイメージを効率的に収集、処理、アーカイブする船上局(TSU:トップサイドシステム)と、流体力学に基づいて設計された高い拡張性を備えた曳航体(トウフィッシュ) に、音響センサー、環境センサー、ナビゲーションセンサー等を搭載させることにより、最大速度12 ノットでも100%ボトムカバレッジの高速調査を可能にします。 SYSTEM 5900 のソナーシステムには、連続波(CW)技術と掃引周波数変調(FM) チャープ技術の両方を採用する高解像度マルチビームサイドスキャンソナーが用いられています。最大20 個の音響チャンネルを備えた182cm のアコースティックアパーチャによるダイナミックフォーカシング機能、ビームステアリング機能により、前モデルであるSYSTEM 5000 のパフォーマンスを大幅に改善し、画像解像度を飛躍的に向上させました。さらに、オプションの光ファイバー通信リンクを使用して、さらなる高データレートを満たすことができます。 船上のデータ収集および処理コンポーネントは、オペレーターの効率と生産性の向上を可能にするあらゆるデータ処理および表示機能を提供し、システム全体をさらに強固にします。 |
特徴
・高速曳航時でも高解像度イメージを実現する片側最大20 本の可変マルチビーム
・高速曳航調査(最大12 ノット)
・マルチパスおよび表面残響抑制用に最適化されたアレイ
・インターフェロメトリスワス測深オプション
・ギャップフィラーオプション
サイドスキャンソナーとは
曳航体(トウフィッシュ) の左右から扇状に超音波を発信し、返ってきた音波(エコー) の反射強度の濃淡を連続描画することにより、海底面を航空写真のような広範囲の画像として取得することができる技術です。底質分類調査(礫、砂、泥、藻場などの分布) や、漁礁などの構造物の状態調査、落下物の捜索など様々な用途に用いることができます。 |
ダイナミックフォーカシング機能&ダイナミックアパーチャ機能
Klein Marine System 社のマルチビームサイドスキャンソナーのトランスデューサーは送受信が可能な複数のセラミックエレメントで構成されています。これらのエレメントは個別に配線および制御されており、ソフトウェア設定や電子遅延を介して、アレイの「サイズと形状」を変更できます。SYSTEM 5900 には両側に28 個の独立した受信サブアレイがあり、各アレイで受信したサウンドサンプルが個別にサウンドメモリとして記録されます。ソフトウェアは位置情報、モーションセンサー、ユーザーのパラメーター等を考慮して、これらのサウンドメモリから適切なサウンドサンプルを取得し、合成画像を作成することにより、どのようなレンジに対してでも最適な解像度でイメージを出力することができます。 | |
物理法則に従って、ターゲットから反射されるエコーは、ターゲットまでの距離に応じて異なる半径を持ちます。オペレーターが25mにフォーカスすると、5900 ソフトウェアは受信した各サウンドサンプルを音響半径に合わせて適したアレイのサイズと形状に変化させます。75m では、25m より半径が大きくなります。 |
ビームステアリング機能
ビームステアリングは、SYSTEM 5900 信号処理アーキテクチャによって可能になった技術です。 SYSTEM 5900 アルゴリズムにモーションセンサー情報(ヘディング、ピッチ、ロール、ヨー) を供給することにより、トウフィッシュのヘディングに直交するのではなく、地上のコースに直交する合成ビームを構成します。この技術により、調査船が波により大きな影響を受けやすい荒天時や浅海でも、鮮明な画像を生成する事ができます。 |
インターフェロメトリスワス測深ソナー(オプション)
インターフェレメトリースワス測深ソナーは、サイドスキャンデータに加えて、「3 次元」または地形情報を得ることができます。SYSTEM 5900 によって取得された海底地形データは、ソフトウェアSonarPro と主要な水路ソフトウェアによってシームレスに処理されます。SYSTEM 5900 測深システムでは、さらにサイドスキャンソナーのパフォーマンスに非常に重要な品質係数を得ることができます。 セカンドリターンやその他の異常な存在を示すクオリティファクターを使用して、リアルタイムの決定を(リモートコントロールや自動制御システムでも) 行うことができ、調査の生産性を劇的に向上させることができます。 |
高精度ポジショニングシステム(オプション)
SYSTEM 5900 には、完全にインテグレートされた慣性ナビゲーションシステム、または、センサーフュージョンパッケージ(USBL/APS、DVL、IMU (3 軸加速度および3 軸ジャイロなどのセンサーを含む) を提供できます。これらの情報が船舶のGPS と統合されると、ソフトウェアは機雷掃海や漁礁・構造物調査でのターゲティング操作に必要な高精度の位置情報を得ることができます。 |
K-ウィングⅣ・ボトムフォロー機能(オプション)
SYSTEM 5900 のK- ウィング IV デプレッサーには、2 つのコントロールサーフェスが含まれており、一定速度で曳航しながらの下降と上昇を可能にします。また、クローズドループコントロールはオートパイロット機能を備えており、テールにある3 つの流体力学的サーフェスを介して自動深度調節とボトムフォロー機能を制御します。 | |
K-ウイングIV は水中でトウフィッシュを安定して下降させるために流体力を使用します。 2つの補助翼は、SonarProソフトウェア、または、SDK を介して統合および調整可能であり、ロールバイアス、高度の微調整、緊急時の高速上昇機能を補助します。 |
SP-Linkリアルタイムフル解像度画像送信(オプション)
SYSTEM 5900 は、SonarPro ソフトウェアを介してリモート制御ができます。独自のSP-Link と圧縮/ ページストリーマアルゴリズムは、LOS 無線、Wi-Fi、衛星リンク、またはその他のネットワークルーティングを介して、フル解像度のリアルタイム画像伝送を提供します。 |
高解像度ギャップフィラーソナー(オプション)
ナディアゾーンは、トウフィッシュの直下に位置し、舷側方向の総計測範囲の約5%に相当します。一般的なサイドスキャンソナーのビームパターンでは、この領域の音響イメージを生成することはできません。そのため、従来の観測手法は、隣り合う測線同士の取得データがこの未測域を埋め合うように、測線間隔を短く設定する必要があります。高解像度ギャップフィラーソナーは、従来のサイドスキャンソナーの弱点であるナディアゾーンを補完するための画期的な技術です。トウフィッシュの先端に搭載することができるトランスデューサーがナディアゾーンにも音響シャドウを生成する事により、1 度の計測でギャップをシームレスにカバーすることができ、重複させるための測量ラインを最小限にすることができます。この技術により、海上での調査時間および燃料消費を大幅に軽減することができるため、観測効率が大幅に向上します(最大40%)。 |
従来のサイドスキャンソナーによる計画側線
直下の未測(ギャップ)を埋めるために、隣り合う測線間隔を短く設定する必要がある。 |
ギャップフィラーソナーを搭載したSYSTEM5900 による計画測線
直下イメージを同時に取得できるため、少ないオーバーラップ率で航行することができる。 |
仕様
マルチビームサイドスキャンソナー
周波数 | 600 kHz |
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ビーム数 | 両舷各最大20ビーム(計40ビーム) ※ダイナミックフォーカシング機能、 ダイナミックアパーチャ機能により調整 |
パルス | CW、FMチャープ |
ビーム幅(水平) | 0.23 ° |
ビーム幅(垂直) | 40 ° |
進行方向解像度 | 6.2 cm @ 50 m レンジ 9.3 cm @ 75 m レンジ 15.5 cm @ 125 m レンジ |
舷側方向解像度 | 3.75 cm |
最大レンジ(片舷) | 150 m |
アレイ長 | 1.8 m |
出力フォーマット | SDF、XTF、もしくはその両方 |
シャドウコントラスト比 | > 10 dB @ 150 mの検出範囲 > 15 dB @ 75 mの分類範囲 |
曳航ケーブル長 | > 750 m (同軸ケーブル) > 3000 m (光ファイバーケーブル) |
インターフェロメトリスワス測深ソナー(オプション)
周波数 | 455 kHz |
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ビーム数 | 両舷各1ビーム(計2ビーム) |
パルス | CW、FMチャープ |
進行方向解像度 | 0.4 ° |
最大レンジ(片舷) | 150 m |
スワスカバレッジ | 曳航体高度の10倍~12倍 |
ギャップカバレッジフィラーソナー(オプション)
周波数 | 750 kHz |
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パルス | CW、FMチャープ |
進行方向解像度 | 4.8 cm |
舷側方向解像度 | < 0.5 ° |
最大レンジ(片舷) | 150 m |
ギャップカバレッジ | 片舷45°まで |
曳航体
材質 | 316ステンレス鋼 |
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全長 | 2.36 m (標準) |
直径 | 20.0 cm |
重量 | 170 kg(気中)、106 kg(水中) |
耐圧深度 | 750 m |
曳航速度 | 4ノット ~ 12ノット |
標準アクセサリ | ・ヘディングセンサー ・ピッチ&ロールセンサー ・水圧センサー(0 m ~ 530 m、750 psia) ・水温センサー(0 ℃ ~ 35 ℃) ・アルチメーター(2 m ~ 75 m) ・レスポンダーインターフェース ・磁力計インターフェイス ・運搬ケース |
プロセッサー( TPU: Transceiver Processor Unit)
寸法 | 50.8 cm × 40.6 cm × 19.05 cm |
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防塵・防水性能 | IP65相当 |
オプションアクセサリ・機能
・インターフェロメトリ測深ソナー
・ギャップフィラーソナー
・Kウィング Ⅱ または Ⅳ
・ボトムフォロー機能
・内蔵慣性ナビゲーションシステム
・センサーフュージョンパッケージ(USBL/APS、DVL、IMU) など
SonarProソフトウェアパッケージ
ソナーユーザーのためにソナーユーザーによって設計されたサイドスキャンソナーデータ収集および処理ソフトウェアパッケージです。 ソナー制御、ソナーデータ表示、センサーデータ表示、曳航体の状態など複数のウィンドウを同時に表示することができます。 |
・ソナーチャネル、ナビゲーション、センサー、ステータスなどのマルチウィンドウ ・電子海図のアンダーレイ ・測量設計 ・ターゲット管理 ・センサーウィンドウ ・ネットワーク管理 ・パラメーターのセットアップウィザード ・履歴データに対するターゲットとルートの比較 |