ダム堆砂量測量
マルチビームによるダム堆砂測量
近年、ダム堆砂測量はシングルビーム測量からマルチビーム測量へと移行しつつあります。シングルビームでは数十mピッチでの横断測量となるため、マルチビームでメッシュ状にくまなく計測したデータと比較して、堆砂量の算出に大きな違いが生じることがあります。より適正な土砂管理を進めるためにも、マルチビームによるダム堆砂測量の需要が高まっていくと考えられます。
現在、ダム堆砂測量では1.5°×1.5°より細いビーム幅の機種が主流として用いられます。当社の製品ではシーバットシリーズのT20-PおよびT50-Pがそれに該当します。
一方で、浅場ではビームの幅よりもコンパクト性が重視されるため、無人ボートに搭載したコンパクトマルチビームMB2の活用を積極的に進めております。無人ボートにMB2を艤装することで、センサー吃水深は10cm程度となるため、ダム上流側や汀線際といった浅場での測量が可能となります。また、船外機船を持ち込みにくいダムなどでは、無人ボート搭載型MB2を使えば、ゴムボートで計測することも可能です。
堆砂測量向けマルチビーム機種一覧
SeaBat T20-P | SeaBat T50-P | ||
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周波数 | 190~420kHz | ||
分解能 | 0.6cm(深度方向) | ||
ビーム幅(横×縦) | 1.0×1.0°(400kHz) 2.0×2.0°(200kHz) | 0.5×1.0°(400kHz) 1.0×2.0°(200kHz) | |
ビーム数 | 10~1024(任意に設定可) | ||
スワス幅 | 140°/ 165°(等間隔/等角度) | 150°/ 165°(等間隔/等角度) | |
直下最大レンジ | 550m (200kHz) | 475m (200kHz) | |
575m (200kHz:X-range機能使用時) | |||
発信間隔 | 50Hz | ||
測深方式 | クロスファンビーム方式(ビームフォーミング) | ||
サイズ | 船上局 | 131×424×379mm( H×W×D) | |
送波器 | 86.6×93.1×280.1mm( H×W×D) | ||
受波器 | 123×254×102mm | 90.7×460×102mm | |
重量 | 船上局 | 14kg(空中) | |
送波器 | 5.4kg/3.4kg (空中/水中) | ||
受波器 | 5.0kg/4.2kg (空中/水中) | 8.2kg/3.9kg(空中/水中) |
MB2 | ||
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周波数 | 200~460kHz | |
分解能 | 2.0cm(深度方向) | |
ビーム幅(横×縦) | 1.8×1.8° | |
ビーム数 | 10~256(任意に設定可) | |
スワス幅 | 10~140°(任意に設定可) | |
直下最大レンジ | 200m | |
発信間隔 | 60Hz | |
測深方式 | クロスファンビーム方式(ビームフォーミング) | |
サイズ | 船上局 | 286.0×260.0×140.0mm(L×W×H) |
ソナー | 267.0×152.0×206.0mm(L×W×H) | |
重量 | 船上局 | 5.5kg(空中) |
ソナー | 11.3kg/4.9kg (空中/水中) |
システム構成
ナローマルチビーム測深機 | [TeledyneReson]シーバットT20-P、T50-P [TeledyneOdom]MB2 |
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リアルタイム水中音速度計 | SVP70 |
無人ボート | ZBoat(ラジコンボート)、HBoat(曳航ボート) |
動揺センサー | Navsight Apogee/Ekinox、POS MV Surfmaster、POS MV Wavemaster |
鉛直水中音速度計 | SWiFT SVP |
船位誘導・データ収録及び データ解析・処理ソフト | PDS |